読者コメント

1人目

知らず知らずのうちに、縦の関係になってしまっていたことに気づきました。

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子どもは、よっぽど上手くやらないと、「時間になったら勉強しよう」とか、「課題だから勉強しよう」みたいなのは通用しないと思います。
 
 なぜなら、ルールや、習慣でやる勉強は、どうしてもつまらないし、義務感も感じてしまいます。
 
 
 
 「子どもがダラダラして時間を無駄にしている」
 
 って思う親もいると思いますが、子どもからしてみれば、
 
 「つまらない勉強をしている時間がもったいない」
 
 って思っていたりします。
 
 
 
 どっちも時間を大切にしているんですが、何を重要としていて、何に価値を置いているのか違うから、
 
 「勉強しなさい」
 
 っていうくらいでは勉強しません。
 
 
 
 「勉強しなさい」
 
 っていうコミュニケーションは、語弊を恐れずに言えば、最も雑なコミュニケーションの一つです。
 
 
 
 ・子どもの気持ちを考慮していない
 
 ・子どもの都合を考慮していない
 
 ・何をすればいいのか、指示が曖昧どころか、何も指定されていない(『勉強する』は指定していることにはならないことが多いです)
 
 ・親が子どもを自由にできる権利があると信じている
 
 
 っていうような点が考慮されていないから、雑なコミュニケーションって言っています。
 
 
 
 もしも、「勉強しなさい」の一言で子どもが勉強をするようなら、かなり完成度の高い上下関係が親子間で出来上がっている、って言えます。
 
 なぜなら、細かく丁寧なコミュニケーションを取らなくても、「勉強しなさい」の一言で動くんですから、子どもの方も、
 
 「親の言うことは聞かなくてはいけない」
 
 って信じているから、です。
 
 
 
 この時、親からの言葉に疑いがなかったり、恐怖を抱いていると、子どもはたった一言で動きます。
 
 子どもは親の自由にできるし、子どもの個性や、主体性は、失われてしまっている可能性があります。
 
 
 
 この関係性は、僕はすごく怖いなぁ、って思います。
 
 子ども自身が
 
 「個性を出してはいけない」
 
 「自分のやりたいことをやってはいけない」
 
 っていうのは、子どもの人生にとって、大打撃を与えていると思うんです。
 
 
 
 なぜなら、個性の喪失や、主体性の喪失は、突き詰めていくと、
 
 「自分はいなくてもいいんじゃないか」
 
 っていう想いに繋がりかねないから、です。
 
 
 
 子どもが親の思う通りに動くけれども、子どもの自己肯定感は地に落ちてしまうわけですね。
 
 この状態のまま、思春期を超えて、20歳あたりになってくると、自分のことや、自分の未来のことを自分では考えられなくなっています。
 
 なぜなら、親が全て決めてくれていたし、親が気に入らないことは選択できなかったから、です。
 
 だから、「勉強しなさい」の一言で子どもを動かそうとするのは、すごく怖いな、って思うんです。
 
 
 
 
 
 子どもにも都合があるし、子どもにも気持ちがあるし、子どもにも考えがあるんです。
 
 「そんなこと分かっている」
 
 「分かっているけれど、できない」
 
 っていう場合は、いっそ
 
 「自分は分かっていない」
 
 と思った方が健全だと思います(笑)
 
 
 
 子どもが遊んでいるところに、
 
 「いつまで遊んでいるの」
 
 「いつになったら宿題をするの」
 
 なんて言いながら、”子どもの都合を無視して”子どもに要求を伝えます。
 
 
 
 まるで、
 
 「親の言うことは、子どもは聞かなければならないものだ」
 
 とでも言っていうかのように。
 
 
 
 これは、親の考えの根底には『上下関係』が潜んでいます。
 
 上下関係から、『横の関係』に移行するためには、
 
 「親の言うことは、子どもは聞かなければならないものだ」
 
 を変えます。
 
 
 
 どう変えればいいか。
 
 「親の言うことは、子どもは聞かなくてもいい」
 
 ですね。
 
 
 
 親の言うことは、子どもが聞くとは限らない。
 
 ということは、親が子どもに言うことを聞いてもらいたい時には、
 
 ・話し方
 
 ・聞き方
 
 を工夫して、子どもが「親の話を聴こう」と思ってくれるようなコミュニケーションを取る必要があります。
 
 
 
 子どもに夏休みの宿題をやってほしい場合は、夏休みの宿題について急かしたり、脅したりするのは、あまり効果がありません。
 
 なぜなら、子どもだって、夏休みの宿題をやった方がいいことは、自分で分かっているから、です。
 
 自分で分かっていることを改めて言うことは、煩わしいことはあっても、子どものやる気を引き出すことは少ないです。
 
 
 
 子どもに夏休みの宿題をやってほしい場合は、子どもが耳を貸したくなるような話をする必要があります。
 
 子どもが聞きたくないような話をしていると、子どもは返事はするけれど、右から左へと聞き流してしまうことが増えてきます。
 
 そして、そのうち「親の話は、聞く価値の無いものだ」って子どもが思うと、話は聞き流されてしまうようになります。
 
 
 
 親子関係が横の関係だからこそ、親は、子どもが聞きたくなるような、耳を傾けたくなるように工夫をしてあげる必要があるんですね。
 
 夏休みで、子どもと一緒にいる時間が増えている場合は、特に「親の話は、聞く価値の無いものだ」っていう考えを上塗りしてしまう可能性がある時期ですね。
 
 
 
 だからこそ、
 
 ・子どもが聞こうと思えるようなコミュニケーションの取り方をする
 
 ・そもそも、自分一人の時間や、夫婦の時間を積極的に取るようにする
 
 っていうことが大切じゃないか、って思います。
 
 
 
 夏休みだからって、親子で一緒にいなければならない、とは限りません。
 
 親も、自分の時間を作ったっていいんです。

佐伯コメント

「勉強しなさい!」

って普段言っている人の話は、基本的にあまり聞きたいと思わないですよね~(笑)

なるべくなら耳を塞ぎたい。

この子どもの気持ちを理解するには、自分の子ども時代に戻ってみれば、分かるはず・・・